2006年の夏、大阪・梅田のど真ん中で、ひときわ洗練された存在感を放つフレッシュジュースバーが期間限定で登場していたことをご存知でしょうか。その名は「フレッシュジュースバー クロエ ジュース」。
世界的ファッションブランドであるChloe(クロエ)が手がけたこのジュースバーは、単なるドリンクスタンドではありませんでした。ファッション × ヘルス × ライフスタイルを融合させた、先進的な試みだったと言えます。
当時を知る人にとっては懐かしく、知らなかった人にとっては新鮮に映るこのクロエ ジュース。情報を整理しつつ、背景やコンセプト、提供されていたジュースの魅力まで掘り下げていきます。
クロエ ジュースとは?期間限定で登場した特別な空間
「フレッシュジュースバー クロエ ジュース」がオープンしたのは、2006年7月14日(金)から8月27日(日)までの期間限定。場所は、大阪市北区角田町8番7号、阪急うめだ本店1階正面入口横という、非常に人通りの多い一等地でした。
百貨店の顔ともいえる場所に展開されたこのジュースバーは、通りがかるだけで目を引く存在感がありました。白を基調とした内装に、カラフルなジュースが並ぶ様子は、まさにクロエの世界観を体現した空間だったのです。
規模としてはコンパクトながらも、ブランドの美意識やメッセージがしっかりと詰め込まれており、「ただ喉を潤す場所」ではなく「体験する場所」として成立していました。
東京・青山の「クロエカフェ」と共通するコンセプト
このクロエ ジュースは、同時期に東京・青山で期間限定オープンしていた「クロエカフェ」と共通する思想のもとで展開されていました。ファッションブランドが飲食空間をプロデュースするという点では、今でこそ珍しくありませんが、2006年当時としては非常に先進的な取り組みです。
クロエカフェが「くつろぎ」や「社交」を意識した場だったのに対し、クロエ ジュースは「ヘルシー」「リフレッシュ」「内側から整える」ことに重きを置いていました。そのため、カフェよりも規模は小さいものの、コンセプトはより明確だったとも言えます。
白を基調としたミニマルな空間、無駄をそぎ落としたデザイン、そして彩り豊かなジュース。これらはすべて、クロエが提案するライフスタイルの一部として計算されていたのでしょう。
6種類のフレッシュジュースが持つ「色」と「意味」
クロエ ジュースの大きな特徴が、6種類のフレッシュジュースです。これらは1週間ごとに提供され、カラーコンセプトが明確に設定されていました。
単に見た目が美しいだけでなく、それぞれのジュースには女性にうれしい要素が込められていました。美肌効果、ストレスケア、腸内環境、ダイエットなど、当時から意識の高いテーマが並びます。
販売されていたジュースは以下の6種類です。
YELLOW:マンゴーミルク
GREEN:しそアップルジンジャー
ORANGE:アプリコットアロエオレンジ
RED:スイカハニーレモン
PURPLE:カシスバナナミルク
PINK:ストロベリーソイココナッツ
ネーミングからも分かるように、素材の組み合わせは非常に個性的。特に「しそアップルジンジャー」や「ストロベリーソイココナッツ」は、斬新すぎですよね。
レシピを手がけたプロフェッショナル集団
これらのオリジナルジュースのレシピを手がけたのが、トランジットジェネラルオフィスです。
同社は、ホテルやカフェ、レストランのプロデュースを数多く手がけるクリエイティブ集団で、代官山の人気カフェSignなどでも知られています。
味・健康・ビジュアルのすべてを高いレベルで成立させる必要があるクロエ ジュースにおいて、この起用は非常に理にかなったものでした。単なる話題作りではなく、本気で「美味しく、体にやさしい」ものを提供しようとしていた姿勢が感じられます。
オリジナルグッズという「もう一つの楽しみ」
クロエ ジュースでは、ドリンクだけでなく限定オリジナルグッズも販売されていました。これもまた、東京・青山のクロエカフェと共通するポイントです。
特に印象的だったのが、6色のテーマカラーにちなんだビーチバッグ。これらはジュースとのセット販売という形で提供され、ここでしか手に入らない特別感がありました。
「飲んで終わり」ではなく、体験を持ち帰る。この発想もまた、ファッションブランドならではのアプローチだったと言えるでしょう。
まとめ
フレッシュジュースバー クロエ ジュースは、単なる期間限定ショップではありませんでした。ブランドの世界観、健康志向、美意識、そして体験価値を見事に融合させた、時代を先取りしたプロジェクトだったのです。
2006年という時代を考えると、そのコンセプトは非常に先進的で、現在のウェルネスブームやブランドカフェの流れを先取りしていた存在だったとも言えるでしょう。
もし、再びクロエ ジュースのような取り組みが復活するなら、現代の価値観とどう融合するのか。そんな想像を巡らせるのも、楽しいですよね。
幻の存在となったクロエ ジュース。しかし、その記憶とコンセプトは、いつまでも色あせることはありません。